どんなに時間と労力をかけて書いた原稿でも、リテイクや修正指示が入ることはあります。赤字だらけの原稿が戻ってくるとショックを受けるものですが、落ち込んでばかりもいられませんよね。今回は、ダメ出しに対するライターとしての心構えについて書いてみたいと思います。
ダメ出しを受けたときに、まず考えること
私は自分の原稿に対する編集者さんの反応に割と一喜一憂するタイプです。自分の狙った通りにOKが出たときは嬉しさや誇らしさ、爽快感などを感じる一方、ダメ出しに対しては気分が落ち込み、怒りが沸いてくることさえあります。修正依頼を放置してパッーと騒ぎたくなることも……(実際にはしませんが笑)。新人ライターのあなたも、同じような経験があるのではないでしょうか。
自分の文章に対しての評価にこんなにもさまざまな感情があらわれるのはどうしてでしょうか。
それは文章に自分の内面が自然と滲み出てしまうからだと思います。生きるうえでの信念や価値基準、生活するなかで考えていること……。こうした非常にデリケートなことが文章にはどうしてもあらわれてしまうのです。
文章は自分の分身だといっても過言ではありません。
自分の原稿に対する評価に一喜一憂してしまうのは当然だと言えるでしょう。評価が良ければ自分自身が認められたように感じられ、逆に評価が悪ければ自分自身が否定されたように感じるからです。
しかし、編集者さんにあなたの人間性を否定する意図はありません。あくまで仕事として成立する原稿を書いてもらうために修正を依頼しているだけなのです。そうであればダメ出しを受けたライターが考えることは決まってきます。
編集者さんの意図を把握し、要求に応えた原稿に書き直すことです。
あなたの評価を一気に上げる方法
新人ライターさんはひとまず編集者さんの赤入れ(修正指示)の通り書き直すことに全力を注ぎましょう。これだけで仕事に対する熱意や誠意が伝わります。
ただ、これではあなたがいる意味がありません。経験を積んで自信がついてきたら、編集者さんの期待を1ミリでも超える修正を目指しましょう。
- こういう修正指示になっているけど、この見せ方のほうが効果的ではないか
- こういう修正指示が出ているなら、この部分とこの部分は入れ替えたほうがいいかのではないか
- ここには修正指示がないけど、この言葉を使うほうがしっくりくるな
このように考えることでさまざまな案が出ると思います。思いついたらどんどん取り入れるといいでしょう。
ポイントは編集者さんの意図から外れないことと締め切りを守ることです。この2点を守りつつ修正指示以上の改善ができれば、編集者さんは喜んでくれるはずです。
ダメ出しはライターとしてのあなたの評価を一気に上げるチャンス。こう考えることで一喜一憂することなく意欲的に修正に取り組めるでしょう。(自戒の意も込めて……笑)