あなたが書く文章のターゲットは誰ですか?

コラム

弊社は新人ライターさんの採用を積極的におこなっています。

突然ですが、私がライターを名乗ることができるのは、稚拙なシナリオや文章に我慢強くつき合ってくださったある編集者さんの存在があったからです。その方がいなければ、いまも“ライター志望者”のままだったかもしれません。本当にありがたいことです。私が新人さんと積極的に仕事をするのは、その方への恩返しの意味があるような気がします。

新人さんと仕事をしていると、文章の欠陥に共通点があることに気づきます。“失敗の共通項”とでも言えばいいでしょうか。多くの方が同じようなところでつまずくのです。今回から、新人さんが知っておくといいことを、少しずつまとめて記事にしたいと思います。ライターを目指すあなたの参考になれば幸いです。そうはいっても、すべては私の経験則。一般的な文章術からはずれることがあるかもしれません。そんなときはぜひ教えてください。私もまだまだ成長しようと企んでいます。

第1回目は、文章技術の初歩の初歩。ここを考えずにスタートした場合、書く前に“失敗”が確定してしまうので気をつけてください。(ああ、おそろしい……!笑)

1、ペンの先

ライターが文章を書く前に考えなければいけないこと

文章は、あなたが伝えるべきことを読者に受け取ってもらうために存在します。この「伝えるべきこと」は知識や情報の場合もありますし、感情の場合もあるでしょう。いずれにしても、読者になにかを伝えるためにあなたは文章を書くのです。

伝えるために大切なのはどんなことでしょうか。わかりやすい言葉を使うこと、正確な文法を心がけること、文体に気をつけることなど、さまざまなことが考えられます。しかし、もっとも大切なのはこれではないでしょうか。

文章のターゲットを意識すること。

少し難しいかもしれませんが、誰に向けた文章を書くのかを明確にするということです。

2、一日のスタート

 

ターゲットを意識すべき理由

ターゲットを意識しなければいけない理由は、主に二つあります。

まずは誰が読者なのかによって、伝えるべき情報が異なるからです。

テレビの経済番組でこんなシーンを見たことがあります。家電量販店の携帯電話売り場に、高齢のご婦人がやってきました。

ご婦人「たくさん種類があって、どれがいいのかわからないのだけど……」
店員「そうですね~。こちらなどは、海外で使えるのが大きな特長となっておりまして」
ご婦人「……私が知りたいのは、相手の声が聞きやすくて大きな文字で表示されるのはどれかってことなんだけど……」

まさに典型的。ターゲットを意識しなかったためにおきた失敗です。ご婦人の求めている情報を事前に考えていれば的を射た説明ができたはず。これは文章でも同じことがいえるでしょう。ライターであるあなたは、読者が求めていることを的確に伝えなければいけないのです。

読者が誰なのかによって、使うべき言葉が異なる点も見逃せません。

大人が読む文章に子どもっぽい言葉ばかり並んでいたら、イラッとするかもしれません。逆に、小学生に専門用語ばかりの文章を読ませたら、すぐに眠くなってしまうでしょう。

極端な例をあげたので「こんなことするわけないじゃないか!」と感じる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、こうしたミスを犯す新人さんが本当にいるのです。「自分は大丈夫」と思わず、書く前にしっかり意識することが大切でしょう。

新人ライターさんがつまずきがちなはじめの一歩についてまとめました。心あたりのあるなしにかかわらず一度自分の文章を点検してみるといいかもしれません。意外な欠陥に気づいて、愕然とするかもしれませんよ。(私自身、愕然を通り越して、倒れそうになった経験があります……笑)

最後までお読みくださりありがとうございました。

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